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ノイズキャンセリングの「-50dB」は何を意味する?dB表記の正しい読み方

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結論

「-50dB」は、特定の周波数においてノイズの音圧を最大50デシベル低減できるという意味です。 環境全体の騒音が50デシベル下がるわけでも、騒音の大きさが半分になるわけでもありません。

そして重要なのは、この数値をブランドをまたいで比較しても意味がないという点です。測定条件を統一する業界標準が存在しないためです。

以下、その理由を順に解説します。

デシベル(dB)は対数の単位である

まず前提として、デシベルは足し算で考える単位ではありません。 音圧レベルの場合、次の関係になります。

低減量 音圧の比率 イメージ
-10dB 約1/3.2 体感でおおよそ「半分の大きさ」
-20dB 約1/10 はっきり静かになったとわかる
-30dB 約1/32 会話の内容が聞き取りにくくなる水準
-40dB 約1/100 連続音がほぼ気にならなくなる水準
-50dB 約1/316 カタログ上の最大低減値として使われる

つまり**「-50dBは-25dBの2倍の性能」ではありません**。対数なので、数値の差が小さくても比率としては大きく変わり、逆に大きな数値の差が体感には現れにくいこともあります。

表記されているのは「最大低減量」

もう一つの重要な点は、カタログ値が特定の周波数におけるピーク値だということです。

ノイズキャンセリングの効き方は周波数によって大きく異なります。最も効くのは低い周波数帯で、周波数が上がるにつれて効果は落ちていきます。 「-50dB」は、最も効く周波数での値であり、全帯域の平均ではありません

このため、-48dBの製品と-50dBの製品を比べても、実使用での体感差はごくわずかになるのが普通です。

ノイズキャンセリングが効く音・効かない音

音の種類 効きやすさ
低周波の連続音 非常に効く 電車の走行音、飛行機のエンジン音、エアコンの送風音
中音域の連続音 ある程度効く 遠くの車の走行音、換気扇
人の話し声 効きにくい 隣席の会話、家族の声
突発的な音 ほぼ効かない 食器の音、キーボードの打鍵音、ドアの開閉音

在宅ワークで「家族の話し声を消したい」という目的の場合、ANCの数値が大きい製品を選んでも期待どおりにならないことがあります。話し声対策では、ANCよりもイヤーピースによる物理的な遮音と再生音のマスキングのほうが効きます。

在宅ワーク用の選び方は在宅ワーク向けノイズキャンセリングイヤホンの選び方で解説しています。

数値より装着状態のほうが影響が大きい

見落とされがちですが、イヤーピースのサイズが合っていないと、ANCの性能は大きく落ちます。 カナル型では、まず物理的に耳を密閉したうえで、残った低周波成分を電気的に打ち消すという二段構えになっているためです。

隙間があると低音が漏れ入り、打ち消しの前提が崩れます。カタログの-50dBよりも、付属イヤーピースのサイズが自分の耳に合うかどうかのほうが、実際の静けさを左右します。

実際の製品の表記を見てみる

EDIFIER EvoBuds Pro

EDIFIER EvoBuds Pro

EDIFIER NeoBuds Pro 3

EDIFIER NeoBuds Pro 3

価格10,980円19,980円
評価--
おすすめポイント
  • 6マイク+AIノイズリダクションで会議・通話がクリア
  • 2万円以下でハイブリッドANC・36時間再生・IP54を実現
  • 装着検出機能や急速充電など日常使いの機能も充実
  • 最大-50dBのハイブリッドANCで高いノイズ低減性能
  • 2台同時接続のマルチポイントに対応
  • ANCオフ時最大36時間再生・LDAC/LHDC対応のハイレゾ音質
購入先

EDIFIER EvoBuds ProはハイブリッドANCで最大-48dB、上位のNeoBuds Pro 3は独自のWIDE-BAND MULTI-CHANNEL ANC技術で最大-50dBと表記されています。

この2dBの差だけで上位モデルを選ぶ理由にはなりません。 実際の価格差に見合う違いは、LDAC/LHDC対応や空間オーディオといった音質側の機能にあります。価格帯ごとの機能差はワイヤレスイヤホン予算別おすすめで整理しています。

dB表記を見るときのチェックポイント

  1. 同じブランド内での比較にとどめる:測定条件が揃っているのは同一メーカー内だけです
  2. 「最大」という語を探す:最大低減量は特定周波数でのピーク値です
  3. 消したい音の種類を先に決める:低周波の連続音か、話し声か。後者ならANCの数値は決め手になりません
  4. イヤーピースの選択肢を確認する:サイズ展開が多いほど密閉を確保しやすくなります

まとめ

ノイズキャンセリングのdB表記は、対数であり、特定周波数のピーク値であり、ブランド間で比較できない数値です。 「数字が大きいほうが静か」という単純な読み方は成り立ちません。

自分が消したい音が低周波の連続音なのかを先に判断し、そのうえで装着感とイヤーピースの適合を確認する。この順番のほうが、カタログの数値を追うよりも確実に満足度が上がります。

耳を塞ぐタイプそのものが合うかどうかは、オープンイヤー vs ノイズキャンセリングも参考にしてください。

よくある質問

ノイズキャンセリングの-50dBとはどういう意味ですか?
特定の周波数において、ノイズの音圧を最大で50デシベル低減できるという意味です。環境全体の騒音が50デシベル下がるという意味ではありません。
-48dBと-50dBでは体感がどれくらい違いますか?
数字の差は2デシベルですが、これは最大低減量の差であり、実際の使用環境での体感差はごくわずかです。低減が効く周波数帯や装着状態のほうが、体感への影響は大きくなります。
デシベルはなぜ単純な引き算で考えてはいけないのですか?
デシベルは対数の単位だからです。音圧レベルでは-20デシベルで音圧が約10分の1、-40デシベルで約100分の1になります。数値が2倍でも効果が2倍になるわけではありません。
ノイズキャンセリングはどんな音に効きますか?
エアコンの送風音、電車の走行音、飛行機のエンジン音といった低い周波数の連続音に強く効きます。人の話し声や食器の音のような中高音域や突発的な音には効きにくい傾向があります。
メーカーが違う製品のdB表記を比べてもよいですか?
推奨されません。測定条件や測定する周波数を統一する業界標準がないため、各社が自社の条件で測った値を表記しています。異なるブランドの数値を直接比較することには意味がありません。